# カラフルなタイルをつくろう
プログラミングでは、いくつかのデータをまとめて扱うことがよくあります。まとめることで、一度にたくさんのことを行えるようになるので、複雑で大きな建物を作るときには、しっかり活用していくべきです。
今回は、データをまとめる方法として、「リスト」を勉強します。まとめたデータは、前回まで勉強してきたfor
文で一気に扱います。下のような、カラフルなタイルを簡単に作れるようになります。
# データをまとめる「リスト」
まずはリストを使わない、簡単なプログラムをみていきましょう。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
a = "RED"
b = "GREEN"
c = "BLUE"
mc.postToChat(a)
mc.postToChat(b)
mc.postToChat(c)
英単語
「Red」は赤色、「Green」は緑色、「Blue」は青色のことです。
(これらをまとめて、「光の三原色」と言います。)
変数に文字列を代入して、一つ一つチャットに送信しています。このままでも普通に動いてくれるのですが、変数をそれぞれに、合計3つも用意しないといけません。
このように、似ているデータ(ここでは、"RED"
、 "GREEN"
、 "BLUE"
の3つの文字列)は、まとめて リスト に保管してあげると便利です。まずは使い方を見てみましょう。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
colors = ["RED", "GREEN", "BLUE"]
mc.postToChat(colors[0])
mc.postToChat(colors[1])
mc.postToChat(colors[2])
結果は先ほどと全く同じになります。何をしているのか、説明していきます。
colors = ["RED", "GREEN", "BLUE"]
この、[]
で囲まれたものを リスト といいます。リストは、データに番号をつけて保管する棚のようなものだと思ってください。ここでは、"RED"
などの文字列を、バラバラにではなく、一つのリストにまとめて、colors
という変数に代入しています。
英単語
「color」は英語で「色」という意味です。ここでは、複数の色を含んでいるので、複数形の「colors」を使用しています。
リストの中身である"RED"
、"GREEN"
などを、このリストの 「要素(ようそ)」といいます。それぞれの要素には、それが「このリストの何番目か」を表す「インデックス」という数値が、先頭から、0
、1
、2
、…という順番でついています。
注意
リストのインデックスは、for
文で数え上げるのと同じように、0
から始まります。1
からではないので注意しましょう。
mc.postToChat(colors[0])
このcolors[0]
で、インデックスを使ってもとの要素を指定して呼び出しています。0
はリストの先頭を表しているので、colors
リストの先頭である"RED"
がチャットに送られることになります。同じように、1
で"GREEN"
、2
で"BLUE"
が呼び出されています。
for
文を使えば、プログラムをさらにスッキリとさせることができます。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
colors = ["RED", "GREEN", "BLUE"]
for i in range(3):
mc.postToChat(colors[i])
for
文の中の変数i
の中身は、繰り返されるごとに、0
、1
、2
が代入されていくので、colors
リストの3つの色が順番に呼び出されることになります。
# ブロックの「種類」と「情報」
リストの使い方を勉強したところで、カラフルなタイルを作るために、色付き羊毛ブロックを使えるようになりましょう。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
x, y, z = mc.player.getPos()
mc.setBlock(x + 1, y, z, 35, 0)
mc.setBlock(x + 1, y + 1, z, 35, 1)
mc.setBlock(x + 1, y + 2, z, 35, 2)
実行すると、下のように3色の羊毛ブロックが現れます。
以前、mc.setBlock()
メソッドには、4つの引数があると紹介しましたが、実は5つ目の引数、「ブロックの情報」というものがあります。
mc.setBlock(x + 1, y, z, 35, 0)
1,2,3番目までの引数は、ブロックの座標を、4つ目の引数は、「ブロックの種類」を決めるのでした。羊毛ブロックの番号は35番なので、引数に35
が入っています。これだけでも白色の羊毛ブロックを設置できるのですが、他の色の羊毛ブロックを使いたい場合に、5つ目の「ブロックの情報」を入力することで、16種類の色を使い分けることができます。
番号 | 色 | 番号 | 色 |
---|---|---|---|
0 | 白 | 8 | ライトグレー |
1 | オレンジ | 9 | シアン |
2 | マゼンタ | 10 | 紫色 |
3 | 空色 | 11 | 青 |
4 | 黄色 | 12 | 茶色 |
5 | 黄緑色 | 13 | 緑 |
6 | ピンク | 14 | 赤 |
7 | グレー | 15 | 黒 |
上のプログラムでは、0
: 白、1
: オレンジ、2
: マゼンタ の3つの色を使っています。
豆知識
同じように、mc.setBlocks()
メソッドでも、8つ目の引数に「ブロックの情報」の番号を入力して、ブロックの色を変えることができます。
# 好きな色を組み合わせてタイルをつくる
「tile.py」というファイルを作成して、下のとおりにプログラムを書いてみましょう。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
x, y, z = mc.player.getPos()
colors = [3, 9, 2, 4, 11, 1, 5]
for i in range(7):
mc.setBlocks(x + i, y - 1, z - 3, x + i, y - 1, z + 3, 35, colors[i])
結果は、この章の冒頭で紹介したような、カラフルな羊毛タイルが出来上がります。
コードの説明をしていきます。
colors = [3, 9, 2, 4, 11, 1, 5]
ここで、タイルに使いたい色を、使いたい順番でcolors
リストに入れています。
for i in range(7):
mc.setBlocks(x + i, y - 1, z - 3, x + i, y - 1, z + 3, 35, colors[i])
for
文を使って、羊毛ブロックを7回置いています。繰り返すたびに変わっているのは、x + i
とcolors[i]
の部分ですね。x + i
で、繰り返すたびにタイルの位置を横にずらしていってます。
colors[i]
ですが、これはcolors
リストから色の番号を取ってきています。一回目の時は、i
は0
なので、colors[0]
となり、リストの先頭にある3
が呼び出されます。for文を使わずに書くと、
mc.setBlocks(x, y - 1, z - 3, x, y - 1, z + 3, 35, 3)
mc.setBlocks(x + 1, y - 1, z - 3, x + i, y - 1, z + 3, 35, 9)
...
mc.setBlocks(x + 6, y - 1, z - 3, x + 6, y - 1, z + 3, 35, 5)
となります。ブロックの色を決める部分が紛らわしいですが、「0番目が3(水色)」、「1番目が9(シアン)」というように、数値(インデックス)が数値(ブロックの色番号)に対応していることに注意してみてください。
リストとfor
文を使うことで、複数の色の情報をまとめて利用することができました。タイルの色を変えたい時は、colors
リストの中身を変えてあげるだけで大丈夫です。自分の好きな色にアレンジしてみましょう。
# おわりに
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