# 同じ操作をくりかえそう
前回は、複数のブロックをまとめて設置するmc.setBlocks()
メソッドを学びました。
今回は、「同じ操作をくりかえす」方法を学んで、また新しいものを作っていきましょう。
# 不死身のブロックを作る
mcpipyフォルダに、「immortal.py」というファイルを作りましょう。
英単語
「immortal」とは、英語で「不滅の、不死身の」という意味です。
ファイルの中身には、このようなプログラムを書いていきます。
import mcpi.minecraft as minecraft
import time
mc = minecraft.Minecraft.create()
x, y, z = mc.player.getPos()
for _ in range(100):
time.sleep(2)
mc.setBlocks(x + 3, y, z - 1, x + 5, y + 2, z + 1, 1)
注意
for ...
よりも下の行は、最初に半角スペース4つ分空けて書かれていることに気をつけましょう。
上書き保存したら、実行してみましょう。プレイヤーの近くに、石のブロックでできた箱が作られると思います。
試しに、この箱をツルハシなどで削ってみましょう。
すると、削った部分が、少し時間が立つと元にもどるはずです。何度壊しても復活する、不死身のブロックの完成です。
これは、本当にブロックが復活するようになったわけではありません。プログラムによって、同じ場所に、同じブロックを、2秒おきに設置しなおすことで、まるでブロックが復活しているように見せているのです。ちなみにこのプログラムは200秒ほどで終わるようになっているので、しばらくするとブロックは壊しても復活しなくなります。
このように、Pythonで何かを繰り返すときに使うのが、 for
文 と呼ばれるものです。今回使い方を勉強していく文法になります。
# for文の使い方
まずは下の例で、使い方を勉強していきましょう。mcpipyフォルダに「repeat.py」というファイルを作り、下のとおりにプログラムを書いていきましょう。
英単語
「repeat(リピート)」は、英語で「繰り返す」という意味です。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
for _ in range(3):
mc.postToChat('Hello!')
注意
ここでも、for ...
より下の行は、半角スペース4つ分空けて書いています。
これを実行すると、下のようになります。
チャットウィンドウにHello!
の文字が3回出てきていますね。一つしか書かれていないはずのmc.postToChat()
メソッドが、3回繰り返されたことがわかると思います。
これがfor
文のはたらきです。1行ずつ、使い方を見ていきましょう。
for _ in range(3):
for
文という名のとおり、文頭がfor
で始まっています。
操作を繰り返す回数は、range()
の中身に入れる数字と等しくなります。この場合だと、3
を入れているので、「3回繰り返してね」とコンピュータにお願いしていることになります。
_ in
については、次回で詳しく説明します。for
文では必ず書かなければいけない部分なので、ひとまず書いておいてください。
行の最後が、 :(コロン)
で終わっていますが、これは、「この先に、繰り返したい操作を書いていくよ」という目印です。これがなければ、コンピュータ、何を繰り返して良いのかわからず、エラーを起こしてしまいます。
下が、繰り返したい操作です。
mc.postToChat('Hello!')
中身は、これまでも使ったことのある、mc.postToChat()
メソッドです。Hello!
というメッセージを送っています。
繰り返すことのできる操作は、メッセージを送るだけではありません。先ほどのようにブロックを設置したり、なんらかの計算をくりかえしたり、といった、いろいろなことができます。
何度か触れていますが、for
文で繰り返したい操作の行は、文頭を半角スペース4つ空けることに注意してください。
たとえば、下のようにコードを書き足してみましょう。
import mcpi.minecraft as minecraft
mc = minecraft.Minecraft.create()
for _ in range(3):
mc.postToChat('Hello!')
mc.postToChat('Python!')
mc.postToChat('Minecraft!')
結果は下のようになります。
文頭を空けているHello!
とPython!
は3回繰り返されていますが、そうではないMinecraft!
は一度しか表示されていません。この文頭のスペースのことを インデント といいます。Pythonでは、このインデントが有るか無いかによって、for
文で繰り返す操作かどうかを見分けています。
# ブロックを繰り返し設置する
ここで、最初に作った不死身ブロックのプログラムに使われているfor
文を見てみましょう。
for _ in range(100):
time.sleep(2)
mc.setBlocks(x + 3, y, z - 1, x + 5, y + 2, z + 1, 1)
ここでのrange()
の中身は100
なので、インデントをつけている(文頭を空けている)行の操作を100回くりかえすことになっています。
くりかえす操作は、
time.sleep()
メソッドで2秒間プログラムを止めるmc.setBlocks()
メソッドでブロックを設置する
という2つです。すなわちこのfor
文は、
- 「2秒ごとに、同じ場所にブロックを置く」ことを100回くりかえす
ということになります。
同じ場所にブロックを置き続けることで、ブロックが何度も復活するように見せることができるわけです。
`time.sleep()` を使わないとき
プログラムは凄まじく速いスピードで実行されるため、time.sleep()
で一回一回休ませてあげないと、100回のくりかえしを一瞬で終えてしまいます。
繰り返しを終えてしまっているので、ブロックは壊しても復活しません。
# おわりに
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